Kissのある日常-episode4-

 episode4

「帰宅後」

日差しが部屋を差し込む時間になり

そろそろと夕ご飯の準備を始めようとキッチンでﾄﾞﾀﾝﾊﾞﾀﾝと動くれんくん

ふとアレはどこにあったっけ？

と探してみたけど足りない調味料

なくても味は付けられるけどやっぱりそこはこだわりたいれんくん

足早にクローゼットを開けていつものバックを肩にかける

つばさくんはいつもの定位置で小さく折りたたむように体育座りしてスマホをいじっていた

どこか出ようとするれんくんに声をかけるつばさくん

「買い物？」

「…うん」

必要以上のことを話さないのは男同士だから？

少し建付けの悪くなったドアを力任せに閉じる

ドンドンと足音を立てこれまた油が切れているドアノブを開けて閉める音

それと同時に音を発するものがなくなり急に静かになった

ドア越しにﾄﾞﾀﾞﾄﾞﾀっと物音が聞こえ始めた

帰ってきた！

れんくんが買い物から帰ってきたみたい

急に嬉しくなったつばさくん

部屋のｼﾝ…とした静けさが賑やかに

鳴り出した

寂しかったよ？

なになになに？

ちょっといきなりKissしようとしてないよね？

ダメなの？

まてまて

ちょっと待ちなさい

ダメだよ帰ってきたばかりだよ

今日は沢山Kissしたよ？

いいじゃんけちぃ

なんだよ

だけど、れんくんが帰ってきてくれて嬉しそうなつばさくんは

Kiss出来なくても悲しそうじゃないね

ペン回しをしながら、

柔らかく甘いこの時間を噛み締める

うがい終わったら

沢山Kissするんだから…